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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻8号

1998年08月発行

文献概要

研究

CA反復配列多型を用いた胎児共存奇胎のDNA診断

著者: 原田直樹1 阿部京子1 東野昌彦2 幡谷功2 柏村賀子3 池田敏郎4 牛垣由美子4 永田行博4 新川詔夫5

所属機関: 1九州メディカルサイエンス長崎ラボラトリー 2厚生連長岡中央綜合病院産婦人科 3九州労災病院産婦人科 4鹿児島大学医学部産婦人科 5長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設変異遺伝子解析分野

ページ範囲:P.939 - P.944

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 多胎妊娠に胞状奇胎を合併する症例はまれである.われわれは胎児共存奇胎妊娠3例(双胎2例,品胎1例)を経験し,各妊娠産物の染色体分析を施行するとともに,DNA(CA反復配列)多型を用いて両親と各妊娠産物の遺伝子型を解析した.DNA多型解析では全例の奇胎組織に父由来のアレルしか存在せず,2例はヘテロ全奇胎,1例はホモ全奇胎であると診断可能であった.また染色体分析でヘテロ全奇胎の2例はともに核型46,XY,ホモ全奇胎の1例は核型46,XXであり,DNA診断結果との矛盾はなかった.CA反復配列多型を用いて両親と奇胎組織の遺伝子型解析を行い,その発生由来を確認することは,全奇胎を確定診断するうえで大変有効な方法だと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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