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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻1号

1999年01月発行

文献概要

今月の主題 TDMの臨床応用 話題

TDMとコンピユータでの利用

著者: 谷重喜1

所属機関: 1浜松医科大学附属病院医療情報部

ページ範囲:P.71 - P.74

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1.はじめに
 TDMとは,therapeutic drug monitoringをキャピタルで表現した略称であり,一般的には薬物血中濃度測定(分析)業務を意味している.これは,単に薬物血中濃度測定(therapeutic druganalysis;TDA)だけでなく,その測定結果の解析,薬剤投与計画への参画までを含む業務を意味する.このためTDMが意味するのは,薬物の血中濃度測定によって得られる客観的なデータを基にして,薬物の効果をモニタリングしていく業務と理解すべきである.
 薬物による治療のために,適切な薬物の投薬量を決定する目的に,このTDMを利用することは有効な手段である.しかしながら,患者の状態,薬物の種類などの諸条件により,薬物の投薬量を決定することは,容易ではない.サンプリングなどの条件も深く考慮しなければならないが,投薬された薬物が示す複雑な挙動の結果として,薬物の血中濃度推移をシュミレーションするためにコンピュータを利用することは,有効な手段の1つでもある.ここでは,TDMへコンピュータを利用するうえでの注意を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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