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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻1号

1999年01月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編

Srcチロシンキナーゼ

著者: 松田覚1 宮崎耕1 浜口道成1

所属機関: 1名古屋大学医学部附属病態制御研究施設分子病態研究部門

ページ範囲:P.75 - P.80

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はじめに
 レトロウイルスの研究から,強い発癌性を示すラウス肉腫ウイルスが細胞癌化の形質維持に働く遺伝子を持っていることが明らかとなり,特定の遺伝子によって細胞癌化が起こりうることが明確になった.最初に同定されたラウス肉腫ウイルスの発癌遺伝子は,現在v-srcと呼ばれている.その後の研究の展開により,v-srcに対応する遺伝子が正常細胞の中にも見いだされc-srcと呼ばれるようになった.
 srcは分子量約60kDaのチロシンリン酸化される蛋白質をコードしているが,この遺伝子産物Src自体にも標的蛋白質をチロシンリン酸化する活性を持つことが明らかにされている.さらに,同様な活性を持ついわゆるチロシンキナーゼが続々と発見されてきたが,それらはいずれも細胞内の情報伝達に深く関与していることが示されてきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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