文献詳細
文献概要
シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編
糖尿病
著者: 井原裕1 清野裕1
所属機関: 1京都大学医学研究科病態代謝栄義学
ページ範囲:P.81 - P.86
文献購入ページに移動はじめに
最近の厚生省の調査では日本の糖尿病患者数は約700万人に達し,年々増加の一途をたどっている.糖尿病の発症には遺伝素因と環境因子が関与していると考えられているが,日本人が元来持っている遺伝素因に,生活環境様式の変化が影響を及ぼしたためと考えられる.インスリンによる血糖調節は,大きく分けると膵β細胞(インスリン合成,グルコースの感知および代謝,インスリン分泌など)と末梢組織(インスリン受容体を介したシグナル伝達,糖輸送など)でなされており,これらのどの段階にかかわる遺伝子に異常が生じても血糖の恒常性が破綻しうる.
近年,急速に発展した遺伝子解析法によりさまざまな糖尿病原因遺伝子が同定された.そこで本稿では,近年糖尿病との関連が明らかになったいくつかの遺伝子変異について概説する.
最近の厚生省の調査では日本の糖尿病患者数は約700万人に達し,年々増加の一途をたどっている.糖尿病の発症には遺伝素因と環境因子が関与していると考えられているが,日本人が元来持っている遺伝素因に,生活環境様式の変化が影響を及ぼしたためと考えられる.インスリンによる血糖調節は,大きく分けると膵β細胞(インスリン合成,グルコースの感知および代謝,インスリン分泌など)と末梢組織(インスリン受容体を介したシグナル伝達,糖輸送など)でなされており,これらのどの段階にかかわる遺伝子に異常が生じても血糖の恒常性が破綻しうる.
近年,急速に発展した遺伝子解析法によりさまざまな糖尿病原因遺伝子が同定された.そこで本稿では,近年糖尿病との関連が明らかになったいくつかの遺伝子変異について概説する.
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