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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻1号

1999年01月発行

文献概要

研究

同一胃生検材料でのPCR法と培養法によるHelicobacter pylori検出の比較

著者: 櫻井伊三1 牧隆之1 小林勝博1 平久江政典1 箱崎幸也1 大庭健一1 桑原紀之1

所属機関: 1自衛隊中央病院研究検査部

ページ範囲:P.109 - P.111

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 胃十二指腸潰瘍と深い関連性を有するHelicobacterpyloriを,同一胃生検材料を検体として,polymerasechain reaction (PCR)法および培養法により検査し,両者の検出度の違いをみた.検査した118例中9例が両者で乖離を示した.乖離した9例中8例はPCR法陽牲,培養法陰性の検体であり,そのうち7例は組織学的検査では陽性,残り1例もcoccoid formらしき菌が多数認められた.PCR法は増幅した菌が死菌か生菌かの判別がつかないという欠点がある.しかし,除菌療法により菌数が減少した場合,あるいは環境変化などによりcoccoid formになった場合などは培養が不可能なことから,H.pylori診断の最終判定には,PCR法は有用であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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