文献概要
1.はじめに
血管はその内腔を覆う血管内皮細胞と血管平滑筋細胞や周細胞といった壁細胞によって構成されている.このうち,血液と諸臓器間のバリアーとしてのみ機能すると考えられてきた血管内皮細胞は,近年の研究成果によりそれだけにはとどまらない様相を呈してきた.血管内皮細胞が種々の刺激に応じてエンドセリンや一酸化窒素(nitricoxide;NO)といった血管作動物質をはじめ,各種細胞増殖因子や白血球接着分子などを発現することが明らかになった今,血管内皮細胞は細胞間,臓器間の間に立って,生体の情報を変換・伝達する機能を担う細胞として考えるのが妥当であろう.したがって,血管内皮細胞の機能的な変化は生体の恒常性に影響を及ぼし,さまざまな病態を引き起こす原因になると考えられる.このうち,動脈硬化で特に重要と考えられているのが酸化LDLである(図1).
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