文献詳細
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コーヒーブレイク
廃家
著者: 屋形稔1
所属機関: 1新潟大学
ページ範囲:P.1489 - P.1489
文献購入ページに移動 廃市という映画があった.一学生が訪れたある地方都市(水都柳川らしい)を舞台にして旧家の廃絶にからむ一夏の追憶を描いた佳作であった.私は昨年一夏どころでなく一生心の故郷として数年に一度は訪れることにしていた古い家が,突然眼前から消え去ってしまったショックを経験した.
私の生家は福島県のYという小さい町に今でも現存しており,両親が建てた医院で80年たった今,大正建造物として町では夜間ライトアップなどしてくれている.ここへ来る前は先祖代々6里ほど離れたNという平和な部落(現在郡山市に編入)に住み,祖父の前までは漢方医をしていた.墓石には6代迄屋形玄伯という世襲の名が刻まれている.祖父は明治に近くにできた須賀川医学校に入り,はじめて西洋医学を学んだ.有名な後藤新平伯と同期である.
私の生家は福島県のYという小さい町に今でも現存しており,両親が建てた医院で80年たった今,大正建造物として町では夜間ライトアップなどしてくれている.ここへ来る前は先祖代々6里ほど離れたNという平和な部落(現在郡山市に編入)に住み,祖父の前までは漢方医をしていた.墓石には6代迄屋形玄伯という世襲の名が刻まれている.祖父は明治に近くにできた須賀川医学校に入り,はじめて西洋医学を学んだ.有名な後藤新平伯と同期である.
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