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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻12号

1999年11月発行

文献概要

今月の主題 心電図 話題

心電現象のサーカディアンリズム

著者: 大塚邦明1 久保豊1 品川亮1 西村芳子1

所属機関: 1東京女子医科大学附属第二病院内科

ページ範囲:P.1502 - P.1510

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1.はじめに
 健常人における全ての内分泌機能は,決して不変ではなく24時間を周期として,規則正しい変動を繰り返している.生体の中で最も強固なサーカディアンリズムで,外界の影響を受けてもめったに消失しないリズムとして,メラトニンリズムが知られている.体温のリズムも極めてしっかりしたサーカディアンリズムを示す.
 最近,自律神経機能にも明瞭なサーカディアンリズムが観察されることが実証された.従来から,交感神経機能を表現する血中norepinephrineやepinephrineに,明瞭なサーカディアンリズムが存在することはよく知られていたが,最近になって,心拍変動(heart rate variability;HRV)解析により,心臓副交感神経機能の日内変動が観察できるようになり,副交感神経機能にも明瞭なサーカディアンリズムが存在することが実証された.一方,生体現象の「複雑性」が最近話題になっているが,HRVの時系列にフラクタル性と複雑性が存在すること,そしてそれらにも明瞭なサーカディアンリズムの存在が確認された.すなわち,生体におけるほとんど全ての生理学的現象が,リズム性を持って変動しているようである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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