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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻12号

1999年11月発行

文献概要

今月の主題 心電図 話題

QT間隔の異常

著者: 犀川哲典1

所属機関: 1大分医科大学臨床検査医学

ページ範囲:P.1511 - P.1516

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1.はじめに
 QT間隔は大変古い心電図指標である.現在のような心電図は1903年に記録されたのが最初であり,QT間隔という名称は心電図の父といわれるEinthovenにより名付けられたが,その概念自体は既に1880年には,存在し,計測され報告されている1).QT間隔は以来100年以上にわたって研究されてきた.当初は主に心臓の収縮と関連した研究がなされ,QT間隔が心拍数に依存することが知られてきた.1920年Bazettは心電図のQT間隔が心拍数に依存して変化することからその補正法を発表した1).以後その方式がその後現在まで使用されている.
 QT間隔は3つのセグメントからなる.すなわち,図1に示すようにQRS部分,ST部分,そしてT波の幅である.一般にQRS部分は心室筋細胞の脱分極を,ST部分は心室筋細胞の活動電位プラトー相を,T波は再分極相を表すといわれている.しかしQT間隔を話題にするときにはQRS間隔は有意に変化していないという前提でQT間隔の評価を行うのが常である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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