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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻12号

1999年11月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編

Methylation-specific PCR(M-PCR)法

著者: 久保田健夫12

所属機関: 1信州大学医学部衛生学教室 2信州大学医学部遺伝子診療部

ページ範囲:P.1533 - P.1539

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はじめに
 臨床検査における遺伝子解析の方法として,その簡便性迅速性からPCR法が主流になっている.その際通常のPCR法で検出するものは,塩基置換や欠失などの遺伝子の構造変化である.ここで紹介するMeth-ylation-specific PCR(M-PCR)法は,遺伝子発現に関与するDNA修飾因子の変化を検出する新しいPCR解析法である.
 DNAのメチル化は,ヒトを含む高等な脊椎動物にのみ認められるゲノムDNA修飾因子である.この修飾はシトシン(C)-グアニン(G)となっている二塩基配列(CpG)中のシトシンだけに生じ,その結果シトシンはメチル化シトシン(mC)となる.この修飾によりヒトゲノム上のCpGの60~80%がメチル化されている1).高等動物でDNAがメチル化されている理由の1つは,進化の過程で外来から進入した遺伝子を不活化させるためである.実際ヒトゲノム上で多数認められるAlu反復配列などの外来遺伝子配列は高度にメチル化されている2,3).もう1つの理由は遺伝子発現の調節である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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