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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻13号

1999年12月発行

文献概要

コーヒーブレイク

鬼平と007

著者: 屋形稔1

所属機関: 1新潟大学

ページ範囲:P.1609 - P.1609

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 小説でも映画でもどちらも大当たりして息も長いものはそうザラにはないが,池波正太郎の"鬼平犯科帳"やイアンフレミングの"007シリーズ"などはこれに当たるものであろう.鬼平こと長谷川平蔵は江戸時代天明・寛政年間の火盗改め長官,007ことジェームスボンドは現代英国諜報部きっての腕ききで,いずれも悪人相手の胸のすく活躍が万人にうけるゆえんである.
 もう少し分析すると,筋立ての面白さはもちろんであるが主人公の生活の肉付けが躍動していて,しかも現実離れしていないことである.池波は無類の料理好きであったから小説の中に季節感や生活の楽しさがいたるところに含まれている.山の上ホテルや銀座の食事処を愛した生活の熟成度が随所に織り込まれており,鬼平ばかりでなく剣客商売の秋山小兵衛,仕掛人藤枝梅安など市井の人の生活を描いては味噌汁の香りまで漂わせてくれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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