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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻13号

1999年12月発行

文献概要

今月の主題 21世紀に向けての寄生虫症 話題

人間ドックにおける寄生虫陽性率の急上昇

著者: 山門実1

所属機関: 1三井記念病院総合健診センター

ページ範囲:P.1630 - P.1632

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1.はじめに
 寄生虫予防法の廃止,文部省の省令改正に基づく児童・生徒などの定期健康診断の見直しから,小学校高学年(第4,5,6学年)以上の児童・生徒については寄生虫虫卵の検査が省略されたことなどからわかるように,私どもの多くが"日本では寄生虫は消滅した"という認識を持っているものと思われる.事実,日本人間ドック学会においても1995年に虫卵検査を人間ドックの必須検査項目から削除してもよいとする勧告が出されている.
 確かに日本住血吸虫などの特定の寄生虫は消滅したものと思われるが,厚生省の国民衛生の動向にも明記されているように,学校などにおいて低学年での寄生虫の虫卵検査の結果でも,ぎょう虫陽性者数が近年増加していることが示されている1).このように実際には寄生虫は増加しているのが現状と考えられる2).そして"食生活の油断"が寄生虫病増加の原因となっていることが多い3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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