文献詳細
文献概要
今月の主題 深在性真菌症 話題
真菌性眼内炎
著者: 矢野啓子1
所属機関: 1都立大久保病院眼科
ページ範囲:P.210 - P.214
文献購入ページに移動1.はじめに
1974年Edwards1)が76例のカンジダ眼内炎について報告し,全身性カンジダ症の診断に対する眼底検査の有用性と眼内炎発症の危険因子について述べ,1970年以降に眼内炎が急増しており,IVHの普及と関連があることを指摘した.
わが国では1980年以降眼内炎が急増し,そのうち90~100%がIVH留置例であり,報告者はIVHとの関連性を指摘した2,3).IVH留置症例の定期的な眼底検査で3.0~3.5%に眼内炎が発症することがわかり4,5),IVHの管理に対する関心が高まってきた6).原疾患は悪性腫瘍が多いが,良性疾患の外科手術後,食道静脈瘤の破裂,交通事故後外傷性血胸や腹部出血を生じた例など,生命予後の良い疾患での発症もあり後遺症による視力障害は,特に重大な問題を残す.
1974年Edwards1)が76例のカンジダ眼内炎について報告し,全身性カンジダ症の診断に対する眼底検査の有用性と眼内炎発症の危険因子について述べ,1970年以降に眼内炎が急増しており,IVHの普及と関連があることを指摘した.
わが国では1980年以降眼内炎が急増し,そのうち90~100%がIVH留置例であり,報告者はIVHとの関連性を指摘した2,3).IVH留置症例の定期的な眼底検査で3.0~3.5%に眼内炎が発症することがわかり4,5),IVHの管理に対する関心が高まってきた6).原疾患は悪性腫瘍が多いが,良性疾患の外科手術後,食道静脈瘤の破裂,交通事故後外傷性血胸や腹部出血を生じた例など,生命予後の良い疾患での発症もあり後遺症による視力障害は,特に重大な問題を残す.
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