文献詳細
文献概要
コーヒーブレイク
挽歌・兄
著者: 屋形稔1
所属機関: 1新潟大学
ページ範囲:P.241 - P.241
文献購入ページに移動 お盆が来るとお墓に入っている家族,友人などが身近に思い出される.兄弟7人の未っ子の私にとって4人の兄のうち3人に先立たれたのは止むを得ないが,姉たち2人は80歳を遥かに超えても元気である.すぐ上の兄は勉という名であったが略してMちゃんと呼んで私には最も親しく一番早死であった.56歳で急逝してちょうど20年になるが両親の死去の年齢に達せず逝ったのはM兄だけであった.親孝行で,故郷の親の墓に足繁くお参りしていたので早く招かれたのだろうと私たちは話し合った.
事によせて男兄弟5人は故郷に集まっては町の保存建造物に指定された親父の建てた古い西洋館で酒を酌み交わすのが楽しみだった.M兄は無口であったが特に嬉しそうであった.札幌から仙台に異動の決まった朝,挨拶中に脳動脈瘤破裂で急死したが,その後の故郷の饗宴は心なし寂しいものになった.
事によせて男兄弟5人は故郷に集まっては町の保存建造物に指定された親父の建てた古い西洋館で酒を酌み交わすのが楽しみだった.M兄は無口であったが特に嬉しそうであった.札幌から仙台に異動の決まった朝,挨拶中に脳動脈瘤破裂で急死したが,その後の故郷の饗宴は心なし寂しいものになった.
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