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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻4号

1999年04月発行

文献概要

今月の表紙 血液・リンパ系疾患の細胞形態シリーズ・16

慢性骨髄増殖性疾患

著者: 栗山一孝1 朝長万左男2

所属機関: 1長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設分子医療部門分子治療研究分野 2長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設

ページ範囲:P.366 - P.367

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 慢性骨髄増殖性疾患(chronic myeloprolifer-ative disorders; CMPD)の中には慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia; CML)をはじめ真性多血症(polycythemia vera; PV),本態性血小板血症(essential thrombocythemia; ET),骨髄線維症(myelofibrosis; MF)などが含まれるが,CMLを除くと各疾患相互の移行も認められ,あるいはいずれの病型にも分類し難くCMPDと診断せざるを得ない症例も存在する.
 MFは骨髄線維化のために骨髄穿刺を行ってもdry tapのため十分な骨髄穿刺標本による骨髄の形態観察ができない.したがって脾腫などの身体所見に加え,末梢血液像で赤血球の形態異常(破砕赤血球,涙滴赤血球など.図1)や核左方移動と同時に赤芽球の出現を認めるいわゆるleukoer-ythroblastosisを認める場合にはMFを疑って,骨髄生検を行い骨髄線維の有無を確認する必要がある(図2).多くのMF症例は血小板増多症を伴い,骨髄生検でも線維化の一部に巨核球の増生を認めることがよく経験される(図3).MFは骨髄線維化が進むと髄外造血の場としての脾臓が増大し著明な脾腫をきたすようになり,中に芽球の増生を認める急性転化を認めることがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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