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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻4号

1999年04月発行

文献概要

今月の主題 原発性免疫不全症 総説

原発性免疫不全症候群の分子遺伝学

著者: 高木正稔12

所属機関: 1国立小児病院小児医療研究センターウイルス研究室 2順天堂大学医学部小児科

ページ範囲:P.380 - P.387

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 近年分子生物学の進歩に伴い多くの原発性免疫不全症の責任遺伝子が明らかにされてきた.その責任遺伝子の解明は疾患において欠損している機能の原因の検索から遺伝子側へアプローチするする方法,先にある遺伝子が知られていてそれから推定される機能の欠損が免疫不全であった場合,臨床と基礎との2方向からのアプローチによってなされてきた.現在まで原発性免疫不全症の診断は末梢血におけるその数の異常および機能の異常に注目してなされてきた.しかし近年の多くの原発性免疫不全症の責任遺伝子の解明はその診断に多くの分子生物学的手法を取り入れ,実際の臨床においても遺伝子診断やそれに基づく遺伝相談が行われている.またADA欠損によるSCID (重症複合免疫不全症)では遺伝子治療も行われ良好な成績を上げており,これからの原発性免疫不全症の診断,治療においては分子生物学的な病態の理解が重要となってくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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