文献詳細
文献概要
今月の主題 原発性免疫不全症 総説
原発性免疫不全症の病理―病因・病態について
著者: 岡野素彦1 小林邦彦1
所属機関: 1北海道大学医学部小児科
ページ範囲:P.388 - P.398
文献購入ページに移動 原発性免疫不全症は,生来免疫系に遺伝的欠陥を持つ疾患群である.その結果,主に感染症の重症化・遷延化・再発が高頻度に認められる.主な感染防御機構は細胞性免疫・抗体・補体・食細胞機能などに集約され,それぞれの欠陥あるいは重複した機能不全が特徴的な病態をもたらす.本稿ではまずそれら感染防御機構の仕組みを述べ,また,この機構を理解するうえで最近特に注目される各種サイトカインおよびシグナル伝達機構を概説する.次に,どのような欠陥が特異な原発性免疫不全症に関与するのかにつき,代表的な例について要約を述べた.
掲載誌情報