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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻5号

1999年05月発行

文献概要

今月の表紙 血液・リンパ系疾患の細胞形態シリーズ・17

骨髄異形成症候群

著者: 栗山一考1 朝長万左男2

所属機関: 1長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設分子医療部門分子治療研究分野 2長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設

ページ範囲:P.486 - P.487

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 骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS)は,造血幹細胞に源を発するクローン性疾患であり,このMDSクローンは無効造血を呈するために血球減少症をきたす.FAB分類ではMDSは5型に分類されるが,いずれの病型においても形態学的異形成(dysplastic change)が共通に認められMDS診断の大きな根拠となる.
 広く鉄芽球性貧血として知られている環状鉄芽球を認める不応性貧血(refractory anemia withringed sideroblast;RARS)は,末梢血液像おいて小球性低色素性の赤血球と正球性の赤血球の混在したdimorphismを認めることが診断の契機となることがある(図1).骨髄像は赤芽球過形成のことが多く図2に示すように赤芽球の原形質には空胞を認めるものがある.また中央部には偽ペルゲル核異常を示す好中球を認める.鉄染色像では赤芽球の核周囲に青く染色された鉄顆粒を環状に認める(図3).RARSではこの環状鉄芽球を15%以上有するとされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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