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コーヒーブレイク
日中の橋
著者: 屋形稔1
所属機関: 1新潟大学
ページ範囲:P.510 - P.510
文献購入ページに移動 中国の江沢民国家首席が先般来日し,仙台の魯迅の跡を訪ねて帰国して行った.永い年月,近くて遠い間柄になった日中関係も,次第に融和しつつあるようであるが,まだかなりの隔たりも感じられる.昭和初期のそれこそ不幸な関係を思い起こせば,時間のかかるのは止むをえないことかもしれない.
永く両国を隔てていた政治情勢を一変させる橋わたしをしたのは,何と言っても昭和47年の田中角栄氏の決断と実行力に負うことは誰しも否定できぬところであろう.その後の彼個人に対する毀誉褒貶について,両国で大きな差があるのは立場のほかに国民性の差もある.中国人は大陸的でとらえどころのない点もあるが,信義を重んずるところもおおいに見られる.大昔からの歴史的関係を考えても,決して遠い間柄ではないはずである.
永く両国を隔てていた政治情勢を一変させる橋わたしをしたのは,何と言っても昭和47年の田中角栄氏の決断と実行力に負うことは誰しも否定できぬところであろう.その後の彼個人に対する毀誉褒貶について,両国で大きな差があるのは立場のほかに国民性の差もある.中国人は大陸的でとらえどころのない点もあるが,信義を重んずるところもおおいに見られる.大昔からの歴史的関係を考えても,決して遠い間柄ではないはずである.
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