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今月の表紙 血液・リンパ系疾患の細胞形態シリーズ・18
類白血病反応
著者: 栗山一孝1 朝長万左男2
所属機関: 1長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設分子医療部門分子治療研究分野 2長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設
ページ範囲:P.606 - P.607
文献購入ページに移動異型リンパ球が出現するリンパ性類白血病反応は,非常に広範なウイルス感染症で認められる.図3に示すように形質細胞類似,単球類似そしてリンパ芽球様に正常リンパ球が形態変化をきたしたのが異型リンパ球である.典型的な異型リンパ球増多をきたすのは,EVウイルス感染症である伝染性単核球症である.発熱と頸部リンパ節腫脹と異型リンパ球増多を臨床所見の特徴として認める.また,リンパ芽球様異型リンパ球は成人に比較して小児でより多く経験され,急性リンパ性白血病との鑑別は慎重を要する.一方,リンパ球増多は認めるが増加しているリンパ球は形態学的には正常リンパ球と思われる症例も少なくない.この場合は,慢性リンパ性白血病との鑑別も念頭に置く必要がある.また,リンパ球の胞体にアズール顆粒を認める顆粒リンパ球(granular lympho-cyte; GL)の増加を認めることがある.ウイルス感染症に伴う免疫反応と考えられる場合もあるが,同種骨髄移植後に一過性に認められることも知られている(図4)
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