文献詳細
今月の主題 高血圧と臨床検査
話題
文献概要
1.はじめに──背景
1987年,Moncadaらが一酸化窒素(NO)を血管内皮細胞由来弛緩因子と同定して以来10余年が経過し,NOはガス状情報伝達物質としての地位を確立した.生体内各所で多彩な生理活性を有することNOと類似した性格を有する可能性を秘めたもう1つのガス状物質が,一酸化炭素(CO)である.COはNOと同様に,グアニル酸シクラーゼの活性化を介して,セカンドメッセンジャーである細胞内cGMP (サイクリックグアノシン-5'-リン酸)濃度を増加させる作用を有している.しかし,現在までのところ,COの生理作用に関しては,Vermaら1)が中枢神経系でのneurotransmitterとしての可能性を示唆した報告以来,心血管系での役割に関する研究はまだ諸についたばかりである.そこで今回ここに,これまでに報告されたCOの心血管疾患,特に高血圧症とのかかわりについて言及する.
1987年,Moncadaらが一酸化窒素(NO)を血管内皮細胞由来弛緩因子と同定して以来10余年が経過し,NOはガス状情報伝達物質としての地位を確立した.生体内各所で多彩な生理活性を有することNOと類似した性格を有する可能性を秘めたもう1つのガス状物質が,一酸化炭素(CO)である.COはNOと同様に,グアニル酸シクラーゼの活性化を介して,セカンドメッセンジャーである細胞内cGMP (サイクリックグアノシン-5'-リン酸)濃度を増加させる作用を有している.しかし,現在までのところ,COの生理作用に関しては,Vermaら1)が中枢神経系でのneurotransmitterとしての可能性を示唆した報告以来,心血管系での役割に関する研究はまだ諸についたばかりである.そこで今回ここに,これまでに報告されたCOの心血管疾患,特に高血圧症とのかかわりについて言及する.
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