文献詳細
文献概要
今月の主題 高血圧と臨床検査 話題
内因性ジギタリス
著者: 後藤淳郎1 山田薫2
所属機関: 1東京大学医学部内科 2三楽病院健康管理科
ページ範囲:P.679 - P.683
文献購入ページに移動1.はじめに
血圧調節機構のうち腎臓によるNa+排泄と体液量の調節が長期的な血圧レベルの決定には最も重要であり,本態性高血圧症においても,その病因に腎臓が寄与する証拠が得られている.正常腎では血圧が上昇すると腎からのNa+,水の排泄が増加し,体液量を減少させ,血圧を正常に戻すという圧―Na+利尿機構が存在しており,腎Na+排泄能は腎灌流圧に強く依存している.高血圧が持続するためには,この腎圧―Na+利尿曲線が右方に偏位していることが必要条件である.
体内へのNa貯留,体液量の増加によって血圧上昇がもたらされる過程に関与することが想定される生理活性物質が内因性ウアバインあるいはジギタリス様物質であり,ジギタリスを代表とする強心ステロイド構造を有することは間違いなく,本論文では内因性ジギタリス(endogenous digi-talis;ED)として表現する1~3).
血圧調節機構のうち腎臓によるNa+排泄と体液量の調節が長期的な血圧レベルの決定には最も重要であり,本態性高血圧症においても,その病因に腎臓が寄与する証拠が得られている.正常腎では血圧が上昇すると腎からのNa+,水の排泄が増加し,体液量を減少させ,血圧を正常に戻すという圧―Na+利尿機構が存在しており,腎Na+排泄能は腎灌流圧に強く依存している.高血圧が持続するためには,この腎圧―Na+利尿曲線が右方に偏位していることが必要条件である.
体内へのNa貯留,体液量の増加によって血圧上昇がもたらされる過程に関与することが想定される生理活性物質が内因性ウアバインあるいはジギタリス様物質であり,ジギタリスを代表とする強心ステロイド構造を有することは間違いなく,本論文では内因性ジギタリス(endogenous digi-talis;ED)として表現する1~3).
掲載誌情報