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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻8号

1999年08月発行

文献概要

今月の主題 輸血検査 話題

白血球除去フィルター使用によるショックと臨床検査

著者: 池淵研二1

所属機関: 1北海道赤十字血液センター研究部

ページ範囲:P.892 - P.896

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1.はじめに
 輸血の安全性は格段に高まってきているが,さらに高めるためにいくつかの対策が血液センター内で考えられている.ウイルス感染症に対するドナースクリーニング法の高感度化が推進されつつあり,HBV,HCV,HIVの核酸増幅検査(NAT)が導入される予定になっている.またウイルス不活化工程が可能な新鮮凍結血漿に対しては,感染性因子の不活化に関するプロジェクト内で検討が行われ,Solvent/Detergent (S/D)不活化血漿の導入が検討されている.血球製剤(赤血球,血小板製剤)のウイルス不活化は従来大変難しいテーマであったが,最近ソラレン系薬剤と紫外線照射とを組み合わせた不活化法が開発され,欧米で臨床第3相試験が展開されている.
 感染症に加えて輸血に関連する副作用のなかには,血液製剤に混入した白血球に由来するものが知られ,同種抗原感作,輸血不応症,非溶血性副作用,移植片対宿主病などが報告されているが,これらに関して若干の考察を加えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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