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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻10号

2000年10月発行

文献概要

トピックス

バーシカン

著者: 古賀友之1 川島博人1 宮坂昌之1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科附属バイオメディカル教育研究センター臓器制御学研究部

ページ範囲:P.1147 - P.1149

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1.はじめに
 プロテオグリカンは,グリコサミノグリカンがコア蛋白と共有結合した糖蛋白であり,コラーゲンなどとともに結合組織の細胞外基質の主要な構成成分である.グリコサミノグリカンは,ウロン酸(D-グルクロン酸またはL-イズロン酸)とアミノ糖(D-ガラクトサミンまたはD-グルコサミン)の二糖繰り返し構造から成り,糖残基には多数の硫酸化を受け,強く陰性に荷電されている.アミノ糖やウロン酸の種類および硫酸基の付加する位置の違いにより,ヒアルロン酸,コンドロイチン,コンドロイチン硫酸,デルマタン硫酸,ヘパリン,ヘパラン硫酸,ケラタン硫酸などに分類される.これらは以前はムコ多糖と呼ばれ,その構造はムコ多糖分解酵素の先天性欠損によるリソソーム蓄積症の研究などにより解明された.
 バーシカンは,血管,脳,皮膚,軟骨などの組織に比較的広範に分布する大型コンドロイチン硫酸プロテオグリカンである.本項では,バーシカンのさまざまな疾患へのかかわりについて,最近の報告を基に概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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