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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻11号

2000年10月発行

文献概要

一口メモ

粘液性腺癌

著者: 長沼廣1

所属機関: 1仙台市立病院病理科

ページ範囲:P.1194 - P.1194

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 粘液性腺癌は腫瘍細胞の胞体内に粘液を含み,腺管内に豊富な粘液を産生する腺癌である.粘液性腺癌は広義には粘液癌,粘液細胞癌,印環細胞癌,粘液結節性腺癌,膠様腺癌などと同意語として使われることがあるが,各臓器の取り扱い規約では前述の名称が狭義に分類されている.
 粘液性腺癌は子宮癌,胃癌,大腸癌,膵癌,胆嚢癌,乳癌などに見られる.乳癌や膵癌では一部に粘液を見ても粘液性腺癌と分類しないので,細胞診で粘液産生性腫瘍細胞を認めても安易に粘液性腺癌と診断できない.粘液結節を形成する場合は粘液内にごくわずかしか癌細胞を見ないことがあり,細胞診で粘液が多量に採取されたときは注意を要する.細胞異型と構造異型に乏しく,癌と判断することが難しい例もあり,良い例は子宮頸部のadenoma malignumである(図1a,b).子宮内頸腺の過形成変化と鑑別が難しいほど良く分化している.超高分化型の粘液性腺癌で,現在では胃幽門腺形質を発現している腺癌と考えられている.単クローン抗体であるHIK 1083による免疫染色が陽性を示し,内脛腺の過形成性病変との鑑別が可能になった1).細胞診上も診断が困難であるが,スメア標本のHIK 1083の免疫染色が診断に有用と報告されている2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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