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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻11号

2000年10月発行

文献概要

特集 細胞診―21世紀への展望 第4章 判定の実際

3.甲状腺:乳頭癌の分化度推定

著者: 辻本正彦1 郡司有理子1

所属機関: 1大阪警察病院病理科

ページ範囲:P.1283 - P.1285

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はじめに
 甲状腺乳頭癌の大部分は比較的予後良好とされているが,なかには局所再発,遠隔転移をきたし,患者を死に至らしめる症例も少なからず存在する.坂本ら1)はこのような予後のやや不良な症例を区別するため,組織学的に甲状腺乳頭癌を予後の良好な高分化型と予後のやや不良な低分化型の2型に分けることを提唱しており(図1),「甲状腺癌取り扱い規約」第5版にも記載されている(表1).
 また西田ら2)は,多数の甲状腺癌症例を坂本分類にしたがって,高分化型成分のみの症例(A群),低分化型成分を腫瘍の10%未満含むもの(B群)と低分化型成分を10%以上含むもの(C群)の3群に分け,術後の予後を比較検討した.その結果,A群とB群に差はないが,C群は他の2群に比してリンパ節転移の頻度が高く,甲状腺外への浸潤が多く,遠隔転移も多く,再発率が高く,予後も有意に不良であることを示した(図2)2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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