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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻11号

2000年10月発行

文献概要

一口メモ

乳腺分泌癌/透析患者にみられる腫瘍状石灰化症様病変

著者: 品川俊人1 宜保一夫2

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院病院病理部 2東京歯科大学市川総合病院臨床検査科病理

ページ範囲:P.1286 - P.1286

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 乳腺分泌癌は細胞診上,強い結合性,大きな細胞集塊,シート状配列や,粘液性背景を認める.まれに灰青色の小球状粘液塊を認めることがある.壊死はほとんどない.細胞集塊内や周辺には明るい球状構造物(mucous globular structure;MGS)や,それらが集簇した大小のブドウの房構造が認められる.小さなMGSでは核が不明瞭で印環細胞と間違えやすいが,MGSは2個以上の空胞(印環)状細胞より構成される球状構造物であるためこれとは鑑別されうる.しかし,印環型細胞も出現する.ギムザ染色よりパパニコロウ染色のほうがこれらの構造物を確認しやすい.顆粒.細顆粒・泡沫状の胞体を持つ細胞のシート状配列も特徴の1つである.一般に分泌癌では核異型が乏しいため,異型性にのみ注目すると悪性の診断が困難となる.上記の多彩な細胞像は分泌癌の古典型(甲状腺濾胞型や顆粒型)にみられる特徴と考えられる.しかし,古典型以外では細胞診断は困難な場合がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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