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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻11号

2000年10月発行

文献概要

一口メモ

筋上皮細胞

著者: 元井信1 小林孝子1

所属機関: 1福山市医師会総合健診センター病理診断部

ページ範囲:P.1306 - P.1306

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 乳腺には唾液腺や汗腺などとともに特有の細胞として筋上皮細胞があり,小葉を構成する末梢乳管から乳頭開口部に近い乳管洞に至る乳管の全長にわたって認められる.筋上皮細胞は,乳管腔面にある乳管上皮細胞の外層で基底膜との間に存在し,いわゆる二相性と呼ばれる特徴的な構造を示して存在する.その同定には特徴的な形態学的所見とともに平滑筋アクチン,S100蛋白,SM 35を免疫染色で検出することが有用で,組織診にも細胞診にも用いられている,
 細胞診標本では筋上皮細胞は乳管上皮よりやや小型,核形は紡錘形および卵円形,クロマチンは濃染性で,明るい広い細胞質を有することもあるが一般には細胞質の狭い細胞として認められる.変性した癌細胞が筋上皮細胞様にみえることがあるので注意が必要であるが,その鑑別にはギムザ染色が有用である.乳腺腫瘍の組織診では,良悪の判定に二相性の存否が重要な判定基準とされており,乳癌では二相性が消失していることが原則となっている.最近,細胞診においても組織診と同様に細胞集塊内の筋上皮細胞の有無とその出現パターンが良性,悪性の鑑別点の1つとして重要性があることが認識されてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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