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特集 細胞診―21世紀への展望 第4章 判定の実際
10.呼吸器:肺小細胞癌の鑑別
著者: 佐藤之俊1 古田則行2
所属機関: 1癌研究会附属病院呼吸器外科 2癌研究会附属病院呼吸器外科・細胞診断部
ページ範囲:P.1310 - P.1314
文献購入ページに移動肺小細胞癌は日本肺癌学会の肺癌取り扱い規約では,「小型の未分化な腫瘍細胞が充実性,胞巣状,索状,"stream"状,リボン状,あるいはロゼット形成を示して配列し,一般に間質は血管に富んだ少量の結合織から成っている」と定義されている1).そして,腫瘍細胞の形態から燕麦細胞型と中間細胞型とに分けられている.一方,1999年のWHO分類ではsmallcell carcinomaとそのvariantとしてcombined small cell carcinomaとに分類されている2).前者は純粋に小細胞癌のみから構成されるもので,これに対し後者は非小細胞癌成分が混在するものに使われている.本症は,診断時大半の症例では既に遠隔転移を起こしていると考えられ,全身化学療法が治療の基本となる.したがって,その診断特に小細胞癌か非小細胞癌かの鑑別が治療法の決定や予後を予測するうえで極めて重要である.
本稿では,特に小型円形細胞が出現し,小細胞癌との鑑別の必要な種々の肺悪性腫瘍について主な鑑別点を中心に述べる.なお,肺小細胞癌の細胞像は省略した(図1).また,鑑別の要点を表1にまとめたので参照されたい.
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