文献詳細
特集 細胞診―21世紀への展望
第4章 判定の実際
文献概要
はじめに
子宮頸部の細胞診の究極の目的は,採取された細胞標本上の細胞所見から,その細胞が由来した病変を正確に検出・診断することにある.しかし,子宮頸部に存在する病変と子宮頸部から採取された細胞標本による細胞診断とは,さまざまな理由でしばしば一致しない.そのために,細胞診の判定結果として直接的な組織診断病名による診断名とは別に,判定結果を分類して臨床的取り扱いを統一するための区分けが必要になる.子宮頸部の細胞診が主として癌検出と癌の診断を目指すものであることから,その判定基準と判定結果の分類法には歴史的にも考え方のうえでも異なった立場に基づく分類が存在する.
本稿では,いくつかの異なった立場に基づく細胞診判定結果の分類の仕方について,その異同と特質について述べ,そのうち最も代表的な分類法である「日母分類」を再評価してみたい.
子宮頸部の細胞診の究極の目的は,採取された細胞標本上の細胞所見から,その細胞が由来した病変を正確に検出・診断することにある.しかし,子宮頸部に存在する病変と子宮頸部から採取された細胞標本による細胞診断とは,さまざまな理由でしばしば一致しない.そのために,細胞診の判定結果として直接的な組織診断病名による診断名とは別に,判定結果を分類して臨床的取り扱いを統一するための区分けが必要になる.子宮頸部の細胞診が主として癌検出と癌の診断を目指すものであることから,その判定基準と判定結果の分類法には歴史的にも考え方のうえでも異なった立場に基づく分類が存在する.
本稿では,いくつかの異なった立場に基づく細胞診判定結果の分類の仕方について,その異同と特質について述べ,そのうち最も代表的な分類法である「日母分類」を再評価してみたい.
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