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特集 細胞診―21世紀への展望 第4章 判定の実際
28.神経内分泌癌
著者: 根本則道1 関利美2 小松京子2 古瀬慶子3 飯島和子3
所属機関: 1日本大学医学部病理学 2日本大学医学部附属板橋病院病理部 3日本大学医学部附属駿河台日本大学病院病理部
ページ範囲:P.1389 - P.1393
文献購入ページに移動神経内分泌癌(Neuroendocrine carcinoma; NEC)は全身に広く分布するびまん性神経内分泌系(Diffuse/dispersed neuroendocrine system; DNS)に包括される細胞に由来する悪性腫瘍と定義される.DNSは全身の臓器・組織に孤立散在性ないし集簇を成して分布する細胞系であり,個々の細胞は形態的ならびに機能的に異なるが,共通の特徴としてパラニューロンの性格を有するものである.そしてパラニューロンの特徴として以下の点が挙げられる.①神経分泌ないし神経伝達物質と相同物質を産生する能力を有する.②これら神経分泌ないし神経伝達物質を細胞質内の神経内分泌顆粒に保有する.③適切な刺激に反応し,それら物質を分泌する能力を有する.すなわち,パラニューロンとは刺激を受容し,その結果分泌する機能を有する細胞(受容分泌細胞;receptocecretory cells)である.神経内分泌腫瘍(Neuroendocrine tumors;NETs),神経内分泌細胞癌(Neuroendocrine cellcarcinomas),内分泌細胞癌(Endocrine carcinoma)などが神経内分泌癌の同義語としては使用されている.
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