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PIN (前立腺上皮内腫瘍)
著者: 小山徹也1
所属機関: 1群馬大学医学部第二病理
ページ範囲:P.1394 - P.1394
文献購入ページに移動 PINはProstatic intraepithelial neoplasiaの略であり,日本では単にPINと呼ばれることが多い.同じような考え方が子宮頸部(CIN),乳腺(DIN)の上皮増殖にもあることを注目すべきである.PINは導管,腺房の上皮の内腔への増生であり,3段階(PIN 1,2,3)に分類されているが,現在ではlow-grade PINとhigh-grade PINに分類されていることが多い.組織学的には図1のごとく,上皮の重層化した増生からなり,ときに乳頭状で,不規則な管腔を形成している.high-grade PINでは核腫大,核小体の巨大化,細胞構築の異常がlow-grade PINより著しいとされ,ときに篩状構造を示す.High-grade PINは上皮内癌を含む病変であり,keratin 34βE 12で染色すると基底細胞のfragmentationが認められる.
癌との関係であるが,必ずしも一定の結論は得られていない.PINは癌と同様多発性に前立腺に発生し,特に癌発生群にHigh-grade PINが多いとの報告もある.従来cribriform carcinomaと言われていたもの中にはcribriform PIN (基底層を有する)と考えられるものが多く,両者の鑑別や生物学的悪性度が問題となっている.また現在のところPINの細胞学的診断基準を明らかにした論文はほとんどない.
癌との関係であるが,必ずしも一定の結論は得られていない.PINは癌と同様多発性に前立腺に発生し,特に癌発生群にHigh-grade PINが多いとの報告もある.従来cribriform carcinomaと言われていたもの中にはcribriform PIN (基底層を有する)と考えられるものが多く,両者の鑑別や生物学的悪性度が問題となっている.また現在のところPINの細胞学的診断基準を明らかにした論文はほとんどない.
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