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特集 細胞診―21世紀への展望 第5章 新技術・周辺領域技術の応用と展開
8.細胞診自動スクリーニング装置:一次スクリーニングへの適用
著者: 上野喜三郎1 山内一弘1 田中昇1
所属機関: 1BML病理・細胞診センター検査部
ページ範囲:P.1455 - P.1459
文献購入ページに移動近年,コンピュータ技術の急速な進歩に伴い細胞診領域においても米国を中心に細胞診自動スクリーニング装置が開発されてきている.細胞診自動化の開発に関してはわが国においても1960年代に千葉県立がんセンター研究所長の田中昇博士が(株)東芝と共同で画像解析技術を駆使したCYBEST(Cyto BiologicalElectronic Screening System)が開発された.しかし,集団検診の活発化に伴って発見される頸癌が微小のために標本上の細胞が極めて少なく,自動化装置によるFalse Negative率が多くなり断念せざるを得なかったが,現在の自動化装置の基礎となっている.
ところで,急速に自動化の開発が求められた背景に,1987年2月に米国のThe Wall Street Jounal紙に掲載されたいわゆる「Pap Scandal」である.これによって,細胞診精度に対する強い不信感が生じ精度管理面での法的規制が生まれた.その結果米国においては,細胞検査士の慢性的不足を補う手段として,また精度管理のために細胞診自動化装置の導入が始まった.
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