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CD分類
著者: 北川昌伸1
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科・分子免疫病理学講座
ページ範囲:P.1470 - P.1471
文献購入ページに移動 ヒト白血球の細胞膜表面には,その細胞の型や分化段階の違いを表す分化抗原,さらには細胞機能と密接に関係する分子などが多数存在している.モノクローナル抗体の作製技術が開発されて以来,これら個々の白血球抗原に対して特異的に反応するモノクローナル抗体が多数作られた.これらの抗体は基礎的研究あるいは臨床的診断上,非常に有用であるが,報告される抗体数が膨大なものとなり,さらに名称が違っても同一抗原を認識している抗体もあることが明らかとなったため,モノクローナル抗体の名称を整理する必要が生じた.そこで,国際ヒト白血球抗原ワークショップにおいて,特異性の一致するモノクローナル抗体をCD分類という形でまとめ,番号を付けることによって定義した1).すなわち,CD分類とは同一の細胞集団または同一の膜抗原または同一の抗原エピトープを認識するモノクローナル抗体を1つにまとめたものと言える.例えば,CD 3というグループに分類されるモノクローナル抗体(CD 3抗体)はCD 3抗原(分子)を持つ同一の細胞集団を認識する.CDとはclusterof differentiationの略語であり,分化に関するクラスター(集団)という意味となる.
CD抗原は基本的に白血球抗原を対象としたものであり,T細胞系抗原,B細胞系抗原,骨髄球系細胞抗原,NK細胞系抗原の4つのセクションで始まったが,その後,活性化抗原,血小板系抗原,内皮細胞系抗原,接着分子,サイトカイン関連抗原,non-line-age抗原にまで拡大された.当然,遺伝子発現のうえからは,造血系細胞以外にも発現する抗原も含まれているが,造血系細胞に一部でも発現していれば,本来は他の細胞が主な抗原発現細胞であってもいいことになっている.
CD抗原は基本的に白血球抗原を対象としたものであり,T細胞系抗原,B細胞系抗原,骨髄球系細胞抗原,NK細胞系抗原の4つのセクションで始まったが,その後,活性化抗原,血小板系抗原,内皮細胞系抗原,接着分子,サイトカイン関連抗原,non-line-age抗原にまで拡大された.当然,遺伝子発現のうえからは,造血系細胞以外にも発現する抗原も含まれているが,造血系細胞に一部でも発現していれば,本来は他の細胞が主な抗原発現細胞であってもいいことになっている.
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