icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻13号

2000年12月発行

文献概要

今月の主題 血管新生 各論

VEGFと疾患とのかかわり

著者: 橋口照人1 丸山征郎1

所属機関: 1鹿児島大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.1617 - P.1621

文献購入ページに移動
 VEGF(vascular endothelial growth factor)は,血管内皮特異的増殖因子で分泌型の糖蛋白である.強力な血管透過性亢進作用を有し,血管新生の全過程とのかかわりが深い重要な血管新生因子である.低酸素状態でVEGF mRNAが誘導され,内皮細胞の増殖や管腔形成を促進する.また正常の血管新生のみでなく,腫瘍内血管新生,糖尿病性網膜症,動脈硬化層,側副血行路,創傷治癒,慢性関節リウマチなどの病態の血管新生にも,VEGFは特に重要な役割を果たすことが推定されている.抗VEGF抗体やアンチセンスVEGFを用いて病的血管新生を抑え,癌治療などへの試みもなされつつある.また,VEGFの作用を応用して,虚血性疾患への治療にも応用されつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?