文献詳細
文献概要
今月の主題 血管新生 話題
循環器疾患と血管新生を誘導する遺伝子治療
著者: 小池弘美1 森下竜一1
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科遺伝子治療学講座
ページ範囲:P.1638 - P.1642
文献購入ページに移動1.はじめに
近年の免疫学,遺伝学,分子生物学の目覚ましい進歩により,あらゆる疾患の病態が分子レベルで解明されてきている.最先端科学による成果は徐々に医学の各分野にも応用されてきており,革命的な治療体系が築き上げられつつある.遺伝子治療もこれら最新医学がもたらした無限の可能性を秘めた新しい治療法の1つである.1990年に世界で初めてADA欠損症に対する遺伝子治療が行われて以来,今日までに既に世界中で3,000人以上もの人が遺伝子治療を受けている.その治療対象も,単一遺伝子欠損症や癌のみならず,閉塞性動脈硬化症,糖尿病,心筋梗塞などの多因子疾患にまで拡大されている(表1).
本稿では筆者らが行っている,血管新生を利用した閉塞性動脈硬化症の遺伝子治療の研究について概説する.
近年の免疫学,遺伝学,分子生物学の目覚ましい進歩により,あらゆる疾患の病態が分子レベルで解明されてきている.最先端科学による成果は徐々に医学の各分野にも応用されてきており,革命的な治療体系が築き上げられつつある.遺伝子治療もこれら最新医学がもたらした無限の可能性を秘めた新しい治療法の1つである.1990年に世界で初めてADA欠損症に対する遺伝子治療が行われて以来,今日までに既に世界中で3,000人以上もの人が遺伝子治療を受けている.その治療対象も,単一遺伝子欠損症や癌のみならず,閉塞性動脈硬化症,糖尿病,心筋梗塞などの多因子疾患にまで拡大されている(表1).
本稿では筆者らが行っている,血管新生を利用した閉塞性動脈硬化症の遺伝子治療の研究について概説する.
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