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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻4号

2000年04月発行

文献概要

今月の主題 抗原認識と抗体産生 総説

抗原のプロセッシングとT細胞への提示機構

著者: 西村泰治1

所属機関: 1熊本大学大学院医学研究科免疫識別学講座

ページ範囲:P.354 - P.365

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 免疫系は異物である抗原の特異性を識別して排除するために,免疫グロブリン(抗体)とT細胞とを備えている.抗体は,丸ごとの抗原分子に直接結合することにより,主に細胞外に存在する抗原を排除する.主要組織適合抗原は,細胞内で抗原が分解されてできたペプチドを分子の先端に結合して細胞表面に発現する.T細胞は抗原を直接認識することはできず,細胞表面に発現する主要組織適合抗原―ペプチド複合体を認識する.主要組織適合抗原には2種類あり,それぞれ細胞内での局在が異なる抗原に由来するペプチドを機能の異なるT細胞に提示して活性化を促す.こうして活性化されたT細胞は,細胞外の抗原のみならず細胞内に存在する微生物などの異物を感知して,感染細胞を排除する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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