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文献概要
今月の主題 抗原認識と抗体産生 話題
ヒト化モノクロナール抗体
著者: 諏訪昭1 三森経世2
所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科学 2慶應義塾大学医学部内科学教室
ページ範囲:P.417 - P.421
文献購入ページに移動1975年にモノクロナール抗体作製技術が発表され,生物学,生化学,免疫学などの広い分野で応用されるようになった1).一方で,抗体遺伝子に関する研究では,抗体の構造遺伝子がクローニングされ,抗原認識の多様性獲得の機構が明らかにされた2).
こうした免疫学研究の進歩と並行して,当初マウスモノクロナール抗体を治療薬として応用する研究が進められた.しかし,マウスモノクロナール抗体には,①分解されやすく半減期が短いこと,②マウスモノクロナール抗体そのものに対する抗体(HAMA)ができやすいこと,③エフェクター機能の低下,などの問題があった.これらの問題点は,主として抗体がマウス由来の蛋白であることに起因する.そこで,マウスモノクロナール抗体をヒト抗体へ近づけるため,キメラ抗体やヒト化モノクロナール抗体が開発された3,4).
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