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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻4号

2000年04月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編

遺伝子クローニング

著者: 康東天1

所属機関: 1九州大学大学院医学系研究科臨床分子医学

ページ範囲:P.437 - P.440

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はじめに
 遺伝子のクローニング1,3)は大きく2つに分けることができる.つまり新規遺伝子のクローニングと既知遺伝子クローニングである.方法論も両者で異なる.新規遺伝子の場合は新規蛋白質の精製から始まるものと,発現クローニングやツーハイブリッド(TwoHybrid)法3,4)といった機能や蛋白質―蛋白質相互作用に基づくスクリーニングから始まるものとに大別できるが,前者は精製とアミノ酸配列決定,後者はスクリーニングそのものが最も重要なステップであり,詳述すればそれぞれで独立した稿を必要とする.臨床検査の目的にはほとんどの場合が既知遺伝子のクローニングであると思われるので,ここではそれに絞って記述したい.
 既知遺伝子のクローニングの目的は,遺伝子検査の際の陽性コントロール作製,定量化のための内部標準の作製,サザンプロッティングやノザンプロッティングのプローブ作製といったDNAそのものを用いる場合と,発現ベクターにクローニングし蛋白質を発現させて,抗体作製用抗原としたりウエスタンブロッティングの陽性コントロールとしたり,さらには発現蛋白質を活性のコントロールにするなど蛋白質の発現を目的にする場合とに分けることができる.研究者はもちろん,少なくとも新たな遺伝子検査法の開発や改良に携わる検査技師にとっても,既知遺伝子のクローニングは既に日常的に行うべき方法論の1つになっていると言えるほど簡便化している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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