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文献詳細

雑誌文献

臨床検査45巻10号

2001年10月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―免疫機能検査・10

紫外線の白血球に及ぼす効果

著者: 東寛1 池田久實1

所属機関: 1北海道赤十字血液センター

ページ範囲:P.1125 - P.1132

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はじめに
 紫外線の生物学的作用には種々のものがある.太陽光に含まれる紫外線による日焼けの誘導,遅延型過敏反応や接触性過敏反応の抑制,ケラチノサイトからのIL 10やIL 6の誘導などがその効果として比較的よく知られている.また紫外線により細胞死も誘導される.これらの作用が引き起こされる機序としては,紫外線のエネルギーがNADHやトリプトファンなどの細胞内光増感物質に吸収され,その結果生成される活性酸素やフリーラジカルの関与,DNA損傷とそれに伴う種々の蛋白(例えばp53)の誘導,膜表面あるいはその直下に存在するstress-activated proteinkinase (SAPキナーゼ)カスケードなどの活性化,膜表面に表出されている分子の発現量の変化,あるいは,それらの分子のリガンド非依存性の重合現象1),などが論じられている.以下に,これらのいくつかについて簡単に述べるとともに,われわれの研究室で得られた,紫外線(UVB)のリンパ球,マクロファージ,造血幹細胞に与える影響に関する実験結果,ならびにT細胞株を用いてUVB照射による細胞死の機序を解析した結果を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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