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文献詳細

雑誌文献

臨床検査45巻13号

2001年12月発行

文献概要

今月の表紙 帰ってきた寄生虫シリーズ・24

ノミ・シラミ

著者: 藤田紘一郎12

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院 2国際環境寄生虫病学

ページ範囲:P.1616 - P.1617

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 日本には約80種のノミが分布し,そのなかでヒトノミ(Pulex irritans),ネコノミ(Ctenoce-Phalides felis),イヌノミ(C.canis),ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)が衛生上重要である.ネコノミはネコだけでなくイヌやヒトにも寄生し,現在,日本でみられるノミはほとんどがネコノミである.成虫の体長は雄1~2mm,雌2~3mmで,褐色,扁平で翅はなく,脚が発達している.頭部の前縁はゆるく湾曲し,前胸部と頬部に櫛棘がある(図1a, b, c).宿主のネコの毛の間で交尾し産卵する.卵は床や地上に産み落とされ,数日で孵化する.幼虫は1~2週間で蛹となり,その後約1週間で成虫になる.生存の割合をみると成虫5%,卵50%,幼虫35%,蛹10%なので,駆除するためには,ネコやイヌに昆虫発育阻止作用のある薬剤を使用したり,よくいる場所を定期的に清掃,殺虫剤処理する必要がある.ノミ刺症はノミの唾液に対するアレルギー反応で,激しい掻痒感や浸潤性紅斑などがみられる(図2).刺される頻度が多くなると,遅延型の反応から即時型反応を生じ,徐々に免疫を獲得して無反応となる.ネコノミ症は膝から下に好発する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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