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文献詳細

雑誌文献

臨床検査45巻2号

2001年02月発行

文献概要

今月の表紙 帰ってきた寄生虫シリーズ・14

フィラリア類

著者: 藤田紘一郎1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院国際環境寄生虫病学

ページ範囲:P.118 - P.119

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 ヒトに感染するフィラリアにはリンパ系に寄生するバンクロフト糸状虫,マレー糸状虫,チモール糸状最近,虫と皮下などの組織に寄生するロア糸状虫,回旋糸状虫(オンコセルカ),イヌ糸状虫などがある.
 リンパ系フィラリア症は日本や韓国,台湾では既に根絶された疾患であるが,世界73か国に1億2千万人の感染者がおり,インドやバングラデッシュなどでは無計画な都市化や地球温暖化に伴って感染者が年々増加している現状である.ネッタイイエカなどの蚊によって媒介され,急性期にはリンパ管炎を伴う熱発作と成虫による組織障害が起こり,この時期のみ血中にミクロフィラリア(mf)を産出する(図1,2).成虫自身の寿命は数年程度と言われ(図3),慢性期には象皮病,乳び尿,陰嚢水腫を呈する(図4).マレー糸状虫症では膝下の象皮病で泌尿器系の症状を伴わない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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