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文献概要
今月の主題 染色体―検査と社会とのかかわり 社会とのかかわり
染色体検査の現状と今後の展望
著者: 後藤俊博1
所属機関: 1塩野義製薬株式会社臨床検査部
ページ範囲:P.187 - P.190
文献購入ページに移動1.これまでの染色体検査
今後の展開を考えるうえで,これまでの検査の推移を認識しておくことも重要である.染色体検査が臨床の場で活躍し始めた1970年代の後半から診断に重要な位置を占め需要が大幅に拡大した1980年代中頃までは,より分析に適した染色体標本を得るための技術的改良と分染法開発の時代であった.さらに本検査の特性として,染色体の異常を形態と臨床情報から判断し分析するためには,多くの経験と細胞遺伝学に関する十分な知識が必要となる.
したがってこの時代は"職人的形態学の時代"とも言え,専門教育機関がほとんど存在しないことと併せて専門技術者の数が非常に限られていた.
今後の展開を考えるうえで,これまでの検査の推移を認識しておくことも重要である.染色体検査が臨床の場で活躍し始めた1970年代の後半から診断に重要な位置を占め需要が大幅に拡大した1980年代中頃までは,より分析に適した染色体標本を得るための技術的改良と分染法開発の時代であった.さらに本検査の特性として,染色体の異常を形態と臨床情報から判断し分析するためには,多くの経験と細胞遺伝学に関する十分な知識が必要となる.
したがってこの時代は"職人的形態学の時代"とも言え,専門教育機関がほとんど存在しないことと併せて専門技術者の数が非常に限られていた.
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