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文献概要
1.はじめに
放射線医学総合病院では,対がん10ヵ年総合戦略の一環として1994年6月から重粒子加速器(HIMAC)を用いて重粒子線(炭素イオン線)による癌治療の臨床研究が開始された.炭素イオンは従来のX線や電子線などの放射線に比べ線量分布の集中性が優れ,さらにX線に比べ,2~3倍強い細胞殺傷効果を有している.このことから,癌に対する炭素イオン線治療はこれまでに放射線に抵抗性を示した癌に対して,より有効な治療法と期待されている.既にアメリカのローレンスバークリー研究所の大型加速器で重粒子線の1種のネオンイオンの癌に対する臨床試験が行われ,一定の治療効果が得られた.しかし,経済的な制約などのために臨床試験が打ち切られたため,わが国の本プロジェクトが注目されている.
われわれはまず,基礎実験で得られた炭素イオン線による癌の治療効果を確認するために,第I/II相試験から開始し,炭素イオン線の副作用と腫瘍制御効果を明らかにした.
放射線医学総合病院では,対がん10ヵ年総合戦略の一環として1994年6月から重粒子加速器(HIMAC)を用いて重粒子線(炭素イオン線)による癌治療の臨床研究が開始された.炭素イオンは従来のX線や電子線などの放射線に比べ線量分布の集中性が優れ,さらにX線に比べ,2~3倍強い細胞殺傷効果を有している.このことから,癌に対する炭素イオン線治療はこれまでに放射線に抵抗性を示した癌に対して,より有効な治療法と期待されている.既にアメリカのローレンスバークリー研究所の大型加速器で重粒子線の1種のネオンイオンの癌に対する臨床試験が行われ,一定の治療効果が得られた.しかし,経済的な制約などのために臨床試験が打ち切られたため,わが国の本プロジェクトが注目されている.
われわれはまず,基礎実験で得られた炭素イオン線による癌の治療効果を確認するために,第I/II相試験から開始し,炭素イオン線の副作用と腫瘍制御効果を明らかにした.
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