文献詳細
文献概要
今月の主題 在宅医療 話題
チーム医療としての在宅医療
著者: 林𣳾史1
所属機関: 1東京都多摩老人医療センター
ページ範囲:P.521 - P.525
文献購入ページに移動1.在宅チーム医療のニーズが高まる
1948(昭和23)年に始めて医療法が施行された.それによると患者はベッド数19床以下の診療所で主として通院診療を受けるか,ベッド数20床以上の一般病院またはベッド数100床以上の総合病院で外来,入院診療を受けるのかいずれかとなり,当時は,在宅でチーム医療を受けることなどは想定されていなかった.ところが,戦後の患者の多くは在宅療養を続けており,医師は急変時のみ往診という形で患者にかかわることになっていた.これは入院ベッド数が多くないことと入院医療費が高額なことの両者により患者は仕方なく在宅療養を続けていたのであり,医師は急変時のみならず定期的に往診をするといった今日のような在宅医療を行っていたのが実態である.在宅往診では薬の服用方法や栄養指導,看護・介護,機能回復法などは医師1人のかかわりの中で患者が管理され,指導されていた.
ところが1961(昭和36)年に国民皆保制度が発足し,医療費の患者負担が少なくなり,医療保険料徴収に見合う医療の場供給の必要性から全国的に入院ベッド数が増加したことにより,多くの患者が入院診療が受けられるようになった.入院医療の増加は年毎に増え,例えば患者の死亡場所についての調査では1970(昭和45)年に自宅が56.6%であったものが1992(平成4)年では20.1%と22年間で約1/3に減少している1).
1948(昭和23)年に始めて医療法が施行された.それによると患者はベッド数19床以下の診療所で主として通院診療を受けるか,ベッド数20床以上の一般病院またはベッド数100床以上の総合病院で外来,入院診療を受けるのかいずれかとなり,当時は,在宅でチーム医療を受けることなどは想定されていなかった.ところが,戦後の患者の多くは在宅療養を続けており,医師は急変時のみ往診という形で患者にかかわることになっていた.これは入院ベッド数が多くないことと入院医療費が高額なことの両者により患者は仕方なく在宅療養を続けていたのであり,医師は急変時のみならず定期的に往診をするといった今日のような在宅医療を行っていたのが実態である.在宅往診では薬の服用方法や栄養指導,看護・介護,機能回復法などは医師1人のかかわりの中で患者が管理され,指導されていた.
ところが1961(昭和36)年に国民皆保制度が発足し,医療費の患者負担が少なくなり,医療保険料徴収に見合う医療の場供給の必要性から全国的に入院ベッド数が増加したことにより,多くの患者が入院診療が受けられるようになった.入院医療の増加は年毎に増え,例えば患者の死亡場所についての調査では1970(昭和45)年に自宅が56.6%であったものが1992(平成4)年では20.1%と22年間で約1/3に減少している1).
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