文献詳細
文献概要
コーヒーブレイク
作家への回想
著者: 屋形稔1
所属機関: 1新潟大学
ページ範囲:P.725 - P.725
文献購入ページに移動戦後の流行作家はカストリに象徴されるように泡沫のごとき運命を辿るのではと思われたが,半世紀たっても彼のみは息長く読者から愛されてきたし,私自身も陰に陽に生活の底に彼の影響が残映しているのを感じる.彼の死後暫くした頃大新聞のコラムに彼と志賀直哉の文学上の葛藤を取り扱った一文が載り,今でも印象深く覚えている."太宰は小刀を滅茶苦茶に振り廻して立ち向うのに対し,志賀は大刀一閃水もたまらず切り捨てる概がある"といったもので,マスコミもまた権威の旗持ちかと感じたことである.
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