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文献詳細

雑誌文献

臨床検査45巻7号

2001年07月発行

文献概要

今月の主題 鉄銅代謝 話題

新しく同定された鉄関連遺伝子

著者: 軍神宏美1

所属機関: 1

ページ範囲:P.749 - P.753

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1.はじめに
 鉄は必須栄養素の1つで,様々な生体内でのプロセスに必須のコファクターであるが,過剰に体内に存在すると有毒である.そのため,体内の鉄量は綿密に調整されている.発症頻度の高い貧血あるいはヘモクロマトーシスに代表される鉄過剰症は,このバランスが崩れた結果と考えられる.鉄が関与するこれら頻度の高い疾病の原因を探り治療するうえで鍵となるのは,鉄の吸収について理解することであるが,それに関する分子生物学的な情報はこれまでほとんどなかった.従来,食事中の鉄は,鉄還元酵素やビタミンCによって2価の形態(Fe2+)で吸収されることはすでに知られていた.しかし,このFe2+の,小腸からの吸収についての詳細な分子レベルでのメカニズム,あるいは鉄還元酵素の本体,エンドゾームから細胞質への鉄の受け渡しについては,分子レベルで明らかではなかった.本稿では,筆者の携わったDMT 1/DCT 1/Nramp 2(以下DMT 1と記載)を中心に,近年報告された鉄吸収に関連するいくつかの遺伝子について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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