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薬剤耐性とエフラックスポンプ
著者: 後藤直正1
所属機関: 1京都薬科大学微生物学教室
ページ範囲:P.779 - P.782
文献購入ページに移動1.はじめに
ペニシリンの臨床応用から幾年も経ないうちに,β―ラクタマーゼ産生能を獲得したペニシリン耐性ブドウ球菌が臨床で分離されたことはよく知られた事実である.しかし,時代を経ても新規抗菌薬の臨床応用とともに,常に耐性菌の出現は続いている.そして,今また「抗菌薬排出」という新しい機構を武器とする耐性菌が問題となってきた.この排出機構の問題は,抗菌薬耐性機構が1つ増えたということではなく,従来の耐性の概念を覆すものである.本稿では,エフラックスポンプによる抗菌薬耐性と,その耐性機構としての新規性について述べたい.
ペニシリンの臨床応用から幾年も経ないうちに,β―ラクタマーゼ産生能を獲得したペニシリン耐性ブドウ球菌が臨床で分離されたことはよく知られた事実である.しかし,時代を経ても新規抗菌薬の臨床応用とともに,常に耐性菌の出現は続いている.そして,今また「抗菌薬排出」という新しい機構を武器とする耐性菌が問題となってきた.この排出機構の問題は,抗菌薬耐性機構が1つ増えたということではなく,従来の耐性の概念を覆すものである.本稿では,エフラックスポンプによる抗菌薬耐性と,その耐性機構としての新規性について述べたい.
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