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学会だより 第90回日本病理学会総会
21世紀の病理学の指針
著者: 横山繁生1
所属機関: 1大分医科大学医学部病理学講座第一
ページ範囲:P.786 - P.786
文献購入ページに移動 2001年4月5日から3日間,第90回日本病理学会総会が,慶應義塾大学病理学講座教授秦順一会長のもと,東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開催された.参加者は2千人を超え,宿題報告3題,ワークショップ10題,シンポジウム2題のほか,1130余りの一般口演・示説演題に対し,活発な討論・質疑応答が行われた.
宿題報告Ⅰでは,大阪大学の青笹克之教授が慢性炎症を基盤にした悪性リンパ腫(特に,甲状腺リンパ腫と膿胸関連リンパ腫)の発生機序に関する講演をされた.また,宿題報告Ⅱでは,名古屋大学の高橋雅英教授が,多発性内分泌腺腫症2型・ヒルシュスプルング病・甲状腺乳頭癌におけるRET遺伝子変異と機能異常について,現在までの研究成果を解説された.ともに病理診断業務の現場で遭遇する腫瘍であり,興味深い内容であった.「疾患モデル研究の戦術・戦略:ポストゲノム時代への視座」と題された公開シンポジウムでは,分子病理学・遺伝学の今後の展望が語られ,ワークショップ6では,再生医療を視野に置いた「幹細胞と組織形成」が課題となっており,これらが今後の実験病理学の主流の1つになっていくと思われた.古くて新しい疾患である感染症もワークショップ7で取り上げられた.感染症に関しては,病理形態像のみでは確定診断困難な場合が多いので,より迅速・簡便かつ正確な血清学的診断法や遺伝子学的診断法の必要性を感じた.
宿題報告Ⅰでは,大阪大学の青笹克之教授が慢性炎症を基盤にした悪性リンパ腫(特に,甲状腺リンパ腫と膿胸関連リンパ腫)の発生機序に関する講演をされた.また,宿題報告Ⅱでは,名古屋大学の高橋雅英教授が,多発性内分泌腺腫症2型・ヒルシュスプルング病・甲状腺乳頭癌におけるRET遺伝子変異と機能異常について,現在までの研究成果を解説された.ともに病理診断業務の現場で遭遇する腫瘍であり,興味深い内容であった.「疾患モデル研究の戦術・戦略:ポストゲノム時代への視座」と題された公開シンポジウムでは,分子病理学・遺伝学の今後の展望が語られ,ワークショップ6では,再生医療を視野に置いた「幹細胞と組織形成」が課題となっており,これらが今後の実験病理学の主流の1つになっていくと思われた.古くて新しい疾患である感染症もワークショップ7で取り上げられた.感染症に関しては,病理形態像のみでは確定診断困難な場合が多いので,より迅速・簡便かつ正確な血清学的診断法や遺伝子学的診断法の必要性を感じた.
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