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今月の主題 蛋白質の活性と蛋白量 総説
蛋白量として測定する血中酵素―血中酵素の酵素化学的測定と免疫学的測定
著者: 小川道雄1
所属機関: 1熊本大学医学部外科学第2講座
ページ範囲:P.929 - P.935
文献購入ページに移動 血中酵素は血中で生理作用をもつもの(血中に分泌される酵素)と,生理作用のないもの(細胞からの逸脱酵素)に分けられる.最近までこれらの酵素量は,その生理活性すなわち酵素活性で主に測定されてきた.そして失活した酵素は意味がないものとみなされてきた.しかし血中の逸脱酵素量の増減からその由来臓器の疾患の有無や障害の程度を推定しようとするなら,失活した酵素も含めた酵素蛋白量そのものの変動を測定しなければならない.活性が重要な意味をもつはずの血中のホルモンを蛋白量あるいはペプチド量として測定し,活性が意味のない血中の逸脱酵素量を酵素活性として測定してきた従来の誤解を正し,蛋白量として血中酵素量を測定する意義を示した.
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